神の名前といい、人の名前といい・・・
ギリシャ神話に出てくるものはたいてい「最後がス」になる。
そして、今回扱うケンタウロ「ス」とミノタウロ「ス」もそうである。
よほどスが好きなようだ。
さて、余談は置いておいて本題に戻ろう。
ケンタウロスとミノタウロスとは、ギリシャ神話に登場する2匹の獣のことだ。そしてどちらも人と獣のミックスなので、神話マニア以外は違いをあまり知らないかもしれない。
そこでこの2匹を比べてみよう。
と思うかもしれないが、ざっくり言えば外見と中身が違う。
ケンタウロス
- 半分人間で半分馬
- 肉やハーブをよく食べる
- けっこう知的
ミノタウロス
- 半分人間で半分牛
- 人間を食べる
- 知能がめちゃくちゃ低い
もう見るからに違う。
そして中身もけっこう差があって、ケンタウロスがベジタリアン(?)なのに対してミノタウロスは人間をおそって食べること、ことミノタウロスに関してはもの凄く知能が低い。
ミノタウロスは迷宮を徘徊して生贄を食うといわれており、生贄は迷宮をさまよっているうちにいずれはミノタウロスに遭遇、食べられてしまうという悲惨なしきたりが昔あった。
そしてしばらく経った後に「自ら生贄に志願してやってきた」テセウスという人間を食べるはずが、かえって返り討ちにして倒されたという話が残っている。
↑ 迷宮を進むテセウスとミノタウロス
その理由が、ミノタウロスを倒した後どうやって迷宮から出ようか心配したテセウスがアリアドネという女性に糸玉を渡され、ヘンゼルとグレーテルの要領で糸をたどりながら本当に迷宮を脱出したからだ。
これが有名な「アリアドネの糸玉」。
ミノタウロスは「狂暴だから迷宮に閉じ込めよう」という理由で幽閉されていた。が、この迷宮、ミノタウロスがちゃんと頭を使えば出られる可能性があったのである。
ミノタウロスが住んでいた迷宮の名前はラビュリントスといい、
名匠ダイダロスが渾身の設計をこらした大迷宮
だそうで、クレタ島に実在していたクノッソス宮殿がモデルと言われている。そしてギリシャでは、クレタ島の昔の貨幣にラビュリントスの図面が刻まれているそうで、つまりはラビュリントスの設計図が分かるわけだ。
そしてその大迷宮が下である。
・・・・・・。
時間をかければ脱出できそうな気がするのは気のせいだろうか。
というか、なんでこれを出られなかったのだろうか・・・?
そしてアリアドネ、糸を用意する必要があったのだろうか・・・?
という感じで、かなり知能が低かった様だ。
その反面、ケンタウロスは女好きで酒好きで暴れるのも中にはいる(ケンタウロス族といって複数いるため)が、中でもケイロンは医学の祖とされ、医術の神アスクレピオスをはじめアキレウスなど数々の英雄を教育した賢者として有名である。
見た目でもう少し違いを探すなら、ケンタウロスの方は弓矢や槍をよく使うといった所だろうか。
ケンタウロスとミノタウロスの違いはざっとこんな感じだ。
分かったかな?