その名はカイロス:チャンスの神様は前髪しかないってどういう意味か

 

チャンスの神様は前髪しかない。

 

という言葉をご存じでしょうか。これは知る人ぞ知ることわざです。

この言葉の「神様」にはモデルがおり、その名も「カイロス」といいます。

という訳で今回はこのカイロスを題材に、現代にも通じる重要な教訓を頭に入れていきましょう。

 

カイロスって誰?どんな神なのか?

 

まず、カイロスは古代ギリシャ神話に登場するれっきとした神であり、チャンスや好機を象徴する存在です。もう文字通り「チャンスの神様」なのです。そしてこのカイロスですが、彼はもともと男神。

古代ギリシャの詩人ポセイディッポスの詩によると、カイロスはゼウスの末子であり、母親の名前はよく分かっていません。彼は長い前髪を持ち、両足に翼を持っており、ヘルメスのような姿とも言われています。

 

チャンスの神様は「前髪」しかないという意味

 

そして本題のこの言葉ですが、これはカイロスの神話に由来しています。

カイロスの前髪は長いため、前からカイロスをつかまえることは簡単です。しかし、後頭部はハゲているので、後ろからでは髪をつかもうとしてもつかむことは出来ません。

そう。チャンスの神様=カイロスは後頭部がハゲなので、前からしか掴むことができないのです。つまり、この言葉は「好機を逃さずに掴むことの重要性」を教えてくれています。

 

カイロスとクロノス:時間の神の違いとは

 

実はカイロスは時間の概念を意味しており、似た言葉に「クロノス」というものがあります。分かりやすく言うと、

カイロス → 機会や一瞬を表し、人間の主観的な時間を象徴する(短期)

クロノス → 時間の連続性を表し、過去から未来へと一定の速度で流れる時間を指す(長期)

というのが違いです。

ちなみにクロノスはギリシャ神話で「時間の神」でもあります。

 

チャンスの神様は前髪しかない。これを英語で言ってみよう

 

「チャンスの神様は前髪しかない」という言葉には英語バージョンがあります。それもそのはず、もともとギリシャ神話はヨーロッパ発祥の神話で、英語を経由して日本に伝わるからです。

そして英語では「Seize the fortune by the forelock」と表現され、先ほども出てきた詩人ポセイディッポスの詩から派生しているとされています。

もちろん、この詩はカイロスについてのものです。

 

カイロスの教えを現代に活かす時

 

カイロスはチャンスや好機を象徴するギリシャ神話の神。その教えは「チャンスを逃さない(好機はその時に掴む!)」ことです。

私たち現代人も、忙しい日常の中で良いタイミングを見逃すことはありますが、できる限り好機に目を光らせ、ここぞというときにチャンスを掴めるよう行動していきましょう。

 

カイロスの前髪をつかめ!そして決して離すなよ!