ギリシャ神話にはいろんな神がいる。
美の神、戦の神、海の神、etc…
ギリシャ神話の神は基本的に、自然界・人間の感情などを司ることが多い。
ならば当然、星の神も存在するわけだ。
そして、その中でも有名なのが「アストライオス」という神である。
アストライオスは、タイタンのクリウスとエウリュビアの息子であり、第二世代タイタンとして知られている。
(もとは農耕の神 → 後に時間の神として知られる)クロノス率いるタイタン族は、ゼウスやオリンポス12神に先立つ時代に宇宙を支配し、アストライオスがギリシャの黄昏の神と呼ばれたのもこの時代。
アストライオスはギリシャの星・惑星・占星術の神であり、風とも関係がある。というのも、風は夕暮れ時に現れることが多く、星や惑星の出現も同じような時間帯に現れ始めるからだ。
また、アストライオスという名前は通常、「星空の人」を意味するものとして翻訳されるため、まさに星の神というわけである。
実はオリンポス12神の中には似たような神が2人いるのだが、
アポロン → 太陽神
アルテミス → 月の女神
なので、厳密にいうと星の神ではない。
よって、星の神とくればアストライオスと考えて差し支えないだろう。
アストライオスは、別の第二世代タイタン族、夜明けの女神でハイペリオンの娘であるエオスとくっつくことになる。
その後、エオスはさまよう「星の神」である5人のアストラ・プラネタと、風の神である4人のアネモイを生んだ。つまり、アストライオスはけっこうな大家族の父親でもあったのだ。
アストラ・プラネタの名前はスティルボン・エオスフェロス・ピュロアイス・ファエトン・ファイノン。
そしてアネモイはボレアス・ノトゥス・エウロス・ゼピュロス。
子供には諸説があり、アストライオスには美徳・無邪気・正義に関する女神アストライアという名前の娘がいたともいわれている。
確かに、父娘ともに名前がそっくりなので実際そうなのかもしれない。
星の神で大家族の父なのだから、さぞかし登場も多いだろう・・・と思っていたのだが違った。
なぜなら、ギリシャ神話の物語ではアストライオスは全然目立った神ではなく、「オリンポス神軍団と戦ったギガンテスの1人」として名前が挙がったくらいで、実はぜんぜん存在感がない。
とはいえ、星神とくればアストライオスというくらい一番手にくる神なので、ギリシャ神話由来の星座と一緒にぜひ覚えてあげよう。